I LOVE HER
いくえみ綾さんの少し昔(1993~1994年)の作品になりますが、ケイタイやスマホなんて出てこないこの時代だからこその良さがあります。公衆電話なんて今どきの漫画でまず見ないですよね。でもその不自由さが良くもありもどかしくもあり。
あらすじ
両親の離婚で母親と共に引っ越し転校した主人公の花。そして偶然アパートの隣に住んでいるのが担任の新堂先生。
教師らしからぬフレンドリーな性格の新堂に少し興味を持ったところで発覚する、不登校気味の同級生・艶香の存在。 艶香は新堂に明らかに好意を持っているのに、先生は彼女を特別扱いしている…? 新堂は「特定の生徒と仲良くなるわけにはいかない」と言っていたのに?
どんなに新堂と仲良くなろうとしても、一線を引いた関係をキープされてしまう花。引っ越しで離れてしまった元カレの存在に関係がギクシャクしたり、一緒に暮らす母親の身勝手に振り回されたり、艶香とは恋のライバルであるはずなのに微妙な連帯感なのか友情なのかが生まれてきたり、いじわるされたりし返したり。
恋愛のドロドロした感情や高校生ゆえの不自由さに悩みながらも、終始明るく振舞い続けるまっすぐな主人公の姿には思わず応援したくなってしまします。
後半に登場する先生の元カノの存在に揺さぶられる花と艶香。勝ち目がなく絶望的な真っ暗闇に落ちてしまったような状況からの急展開、艶香との関係の顛末など、ラストに向かっての展開には号泣必至。
番外編として、花が卒業後の話が「子供の庭 2巻」に収録されていて、こちらも必見。
ちなみに作者が奥田民生ファンらしく、新堂先生はどことなく民生似です。
書籍情報
- 書籍名:I LOVE HER (マーガレットコミックス 全5巻)
- 著者:いくえみ綾
- 出版社:集英社